JR東海371系

2012年のダイヤ改正寝台特急日本海と急行きたぐにの定期列車の廃止等あったが私にとって地味であるが残念なことがあった。それは特急あさぎりのJR東海の「371系

小田急線への運用が消滅したことである。
特急あさぎりはこれまで小田急新宿駅御殿場駅間を走る連絡急行であったが1991年3月16日に特急に格上げ、それまで使用していた「小田急3000形(SSE車)」

から「小田急20000形(RSE車)」

となり、JR東海371系がデビュー、運転区間小田急新宿駅沼津駅間となった。
371系は特急あさぎりの他に下りは三島駅→浜松駅間のホームライナー浜松(土休日はホームライナー静岡で静岡駅止まり)、上りは浜松駅→静岡駅間のホームライナー静岡(土休日は運休)と静岡駅→沼津駅間のホームライナー沼津(毎日運転)で運転されていた。
371系は7両1編成のみで静岡運転所(後の静岡車両区)の所属である。
外観はホワイトの車体にブルーの帯の塗装でまるで東海道新幹線のようである。先頭車が丸い流線型になっており、3号車と4号車がダブルデッカー(2階建て車両)で2階席はグリーン車となっており、1階席は普通車、平屋部は車内販売カウンターと準備室となっている。
特急あさぎりは全車指定席であるがホームライナーでは乗車整理券で乗車が可能である。
私は371系に何回も乗車しているが印象に残った経験がある。
1996年の秋に休暇を取って小田急新宿駅沼津駅間で特急あさぎり7号のグリーン車沼津駅→浜松駅間でホームライナー浜松の普通車と乗車し、小田急新宿駅→浜松駅間を371系の2階席(特急あさぎり)と1階席(ホームライナー浜松)に乗車した。
まずは特急あさぎりのグリーン車である。2階席からの見晴らしは辺りが少し暗くなっていたが最高だった。グリーン車の各座席にBSの液晶テレビがついており、ちょうどメジャーリーグワールドシリーズを生中継しており、ニューヨークヤンキースがワールドチャンピオンになった瞬間を見ていた。この頃のヤンキースはものすごく強かったなあ…。また、車内販売カウンターに行って371系がデザインされたネクタイピンとカフスボタンのセットを購入した。
沼津駅に到着してからホームライナー浜松の乗車整理券みどりの窓口で購入してからホームに戻り列車を待った。
ホームライナー浜松が入線して一目散に1階席へと向かい着席した。だいぶ1階席の天井と私の目線が低くなったがそれなりに座席の間隔が広かったと感じている。
静岡駅でブルートレインを見て浜松駅に到着、小田急新宿駅から浜松駅間で371系に乗車した旅の思い出である。
その後、371系を撮影する機会がやたらに増えて撮りまくったが2006年の検査入場で371系パンタグラフがひし形からシングルアームパンタグラフに交換され、それを伊勢原駅で見て私は
371系、終わったな…。」
と感じた。
2011年、来春のダイヤ改正で特急あさぎりがすべて「小田急60000形(MSE車)」

となり、運転区間御殿場駅まで短縮され、371系小田急20000形が引退するニュースを聞いた。
特急あさぎりは御殿場駅沼津駅間の乗車率が非常に悪かったため、御殿場駅沼津駅間の6号車に自由席を設定したこともあった。(1996年に私が乗車した際もお客さんが少なかったが…。)
2012年のダイヤ改正が近づくにつれて371系を撮影したり、乗車する鉄道ファンが増加した。私は
「本当に371系が好きだったの?」
といつもながら疑問を抱く。
371系が定期運用を外れ、今は御殿場線を中心に臨時列車や団体列車に使われるようになった。
JR東海の電車が小田急線に乗り入れていたのが幻になってしまったれす…。